他人事じゃない!あなたはGDPRに賛成?とっても不便な世の中になるけど?【Cookieの光と影】
昨今GoogleやFacebookを賑わせているGDPR。
ヨーロッパでの個人情報保護法の強化版みたいな位置づけで、ネット界隈ではCookie(クッキー)が個人情報に新しく該当するというところで大変注目を浴びました。
GDPRは本当にユーザーにとっていい方向へ進むのでしょうか?
Cookieを規制することで本当にユーザーにとってデメリットはないのでしょうか?
なじみのない一方で実は結構役に立つCookieを規制するGDPR。
今日はGDPRについて思うことを書いていきます。
Cookieとは?
以下はマイクロソフトのサイトに記載されているCookieの説明です。
Cookie は、ユーザー設定についての情報を保持するために、Web サイトによってユーザーの PC に保存される小さなファイルです。Cookie を使用して、サイトにユーザーの個人設定を記憶させたり、サイトにアクセスする際のサインインを省略可能にしたりして、利便性を向上させることができます。
何のことやらさっぱりの人もいると思いますが、たとえばあなたが車を欲しいと思ってパソコンでTOYOTAのHPにいくとします。
表ではサイトで一通り見て、「あ、これいいな」とか「高いな」とか「試乗してみようかな」とか思うわけです。
裏ではサイトを訪れた時点でウェブサイトとパソコンに閲覧履歴としてCookieが発行されます。一言で言えば閲覧の履歴のことをCookieといえます。
たとえばネット銀行にアクセスするときに、いつもと違う端末でアクセスすると、登録した質問やらパスワードやらいつもよりも多くの手続きを強いられ、最終的に「この端末を登録しますか?」と出ます。
これはネット銀行のサイトに以前アクセスしたCookieと違う場合に、自動的にサイト側で「この端末はいつもと違う端末だぞ」と認識して、いつもより少し面倒くさい手続きが増えるわけです。
よく、ネットストアなんかでIDとパスワードを登録できますよね。あれもCookieが使われているわけです。
Cookieを利用する企業
Cookieを利用するとメリットも多くありますが、デメリットもあります。
それが今回問題になったサイト運営側にもCookie(閲覧履歴)が残ることです。
つまり、あなたが誰か知らなくても見ているサイトの閲覧履歴から、この端末を使っている人は車に興味がある、ダイエットに興味がある、子育てに興味があるというのがわかります。
今回はこういう閲覧履歴としてのCookie個人情報に該当するか?というのが大きな論点でした。
ちなみに企業側ではCookieをどのように使っているかというと、広告に使われています。
Cookieを利用した広告
たとえば先ほど車のサイトを見たあなたは、一旦サイトを閉じてYahooの天気やニュースを見ていると突然さっき見ていた車のバナー広告が出ることがあります。
はじめは偶然かなと思っていたら、別のサイトを見ている時もまったく同じ広告が出ます。
まるで広告が自分についてくるような感じです。
これは企業側が「この端末の人はうちのサイトに来てくれたからうちに興味がある」と思ってCookie端末に狙い撃ちして広告を出せるサービスがあります。
それが「リターゲティング広告」や「リマーケティング広告」と呼ばれるものです。
Cookie広告は悪か?
ヨーロッパではCookie広告の企業であるクリテオやアドロールなどが批判の対象になっていました。
誰しもCookieの閲覧履歴を勝手に使われて、いい気持ちはしないでしょう。
ですが、一方でCookieがあるからこそ広告ビジネスはここまで進化してきたのです。
Google AdsenseやYahoo プロモーションなどの広告はCookieである程度個人に最適化した広告を見せるようにしています。
つまり、テレビや広告などマス広告では個人に広告が最適化されていないため、男の私に生理用品のCMを見せたり、女性に髭剃りのCMを見せたりしてしまうのです。
スマホやPCがCookieのおかげで、この人は男だ、この人は車に興味がある、この人はラーメンが好きだ、この人は新宿によく行く、という情報があるからこそ自分に合っている広告が出るのです。
要は自分に合っている広告が出るか、自分に合っていない広告が出るかの二択しかないのです。
広告はなくならない
インターネットビジネスの上で広告ビジネスはなくなりません。
FacebookもGoogleも広告ビジネスですし、Amazonも広告に参入しています。
広告がクソだとか、ストレスなのは自分にとって関係ないものが出続けるからです。
正直私自身はそのデメリットのほうが大きいように感じています。
ヨーロッパのサイトでは今サイトを移動するごとに「Cookie使っていい?」「規約同意する?」という文言が飛び交っています。本当にこれでよかったのでしょうか。
最後に
GDPRはいまは他人事かもしれませんが、日本にもいずれやってくる日がくるでしょう。
そうなればあなたはGDPRに賛成するのか反対するのかを聞かれる日が来るはずです。
個人情報を保護すると一定のメリットはありつつデメリットも多くあることを理解すべきでしょう。